関節リウマチ~女性の病気について~

関節の腫れや痛みを引き起こす関節リウマチ


関節リウマチとは?

関節リウマチは体の様々な関節に炎症が起こる慢性の病気です。主な症状は炎症による関節の腫れや痛みで、病気が進行すると関節の破壊や変形が起こります。多くの場合、症状が落ち着いたり悪くなったりということを繰り返しながら、慢性に経過していきます。
 関節リウマチの男女比は1:4と女性に多く、女性では30歳代から増え始めます。※厚生労働省「平成20年患者調査」より


症状

関節リウマチには関節に起こる症状と、それ以外の症状があります。

関節症状

関節症状関節リウマチで炎症が起こりやすい関節は、手の指、足の指、手首、ひじ、ひざなどです。それ以外にも様々な関節に炎症が起こり、炎症による腫れや痛みを伴います。
 また、体を動かし始めるときに関節がこわばって動かしにくいことがあります。これは朝の起床時によくみられ、関節を動かしているうちになくなっていきます。
 病気が進行すると、骨が破壊され、関節に変形が起こります。変形は手や足の指に多く現れ、手の指が小指の方に傾いていく尺側偏位(しゃくそくへんい)などがあります。関節以外の症状体に慢性の炎症があるため、全身の倦怠感、疲労、微熱、体重減少などがみられます。

関節以外の症状

体に慢性の炎症があるため、全身の倦怠感、疲労、微熱、体重減少などがみられます。

原因

原因は不明ですが、免疫の異常が関係していると考えられています。結果として関節中の滑膜(かつまく)が炎症を起こし、これにより腫れや痛み、骨の破壊や関節の変形がもたらされます。

治療

治療方法には薬物療法と外科的治療があります。

■薬物療法

■薬物療法薬物療法には、下記の3種類の薬物があります。

・非ステロイド性抗炎症薬

関節の炎症や痛み、腫れを抑えます。病気自体を治すことはできません。

・副腎皮質ステロイド薬

関節の炎症や痛み、腫れを抑えます。強い効果と即効性が特長です。長期の使用や大量の使用の場合は副作用がありますので注意が必要です。病気自体を治すことはできません。

・抗リウマチ薬

リウマチ薬は関節リウマチの免疫異常を改善し、病気の進行を抑えたり、遅くしたりすることができます。そのため、最近の関節リウマチ治療では早い段階から抗リウマチ薬を用いられます。

■外科的治療

関節の変形がある場合などは外科的治療が行われる場合があります。不安定な関節を固定する関節固定術や人工関節に置き換える人工関節置換術、炎症を起こしている滑膜を取り除く滑膜切除術などがあります。


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お話を伺ったのは 寺師 恵子先生

東海大学医学部卒業。産婦人科勤務を経て、東京・表参道に産婦人科と皮ふ科を併設したけい子レディースクリニック表参道を開院。

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