卵巣のう腫~女性の病気について~

卵巣のう腫は自覚症状がでにくい病気

女性の病気のこと、病名はよく耳にするけど、具体的にどんな病気?
若い女性にも多い病気「卵巣のう腫」の症状や治療方法をけい子レディースクリニック表参道の寺師先生に教えていただきました。

卵巣のう腫は自覚症状がでにくい病気

卵巣のう腫って?

卵巣子宮上部の左右に位置し、卵子を作り出す器官です。卵巣のう腫は、その卵巣にできる良性の腫瘍です。卵巣は定期的に女性ホルモンを分泌し排卵を繰り返すので、体の中でも腫瘍ができやすく、「沈黙の臓器」とも言われ、のう腫ができても察知することが困難な器官です。のう腫がにぎりこぶし大以上になると、下腹部がふくらんできたり、違和感を覚えるようになります。

見逃されがちな諸症状

腫瘍が大きくなると下腹部がふくらんできたり、周囲の臓器を圧迫することから腰痛や便秘など様々な症状が起こります。しかし、これらの症状は日常のちょっとした体の変化として見逃されがちです。さらに症状が進み、卵巣のう腫がねじれてしまうことを茎捻転といいます。茎捻転を起こすと激しい腹痛やショック状態に陥ることがあります。ねじれてしまうことで血行が途絶え、細胞が壊死してしまうので手術が必要となります。


治療

卵巣のう腫は、自覚症状がほとんどないため他の病気での治療の際に見つかることが多いです。のう腫がまだ小さい場合は、経過観察します。しかし、のう腫が5cmを超えてくると、茎捻転や不妊の原因となるため手術の必要があります。現在は、腹腔鏡下手術が行われるようになり、小さい傷で腫瘍を取れるようになりました。卵巣を摘出するか、腫瘍の部分だけ切り取るかは、年齢や妊娠の希望、腫瘍の状態によって変わってきます。


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お話を伺ったのは 寺師 恵子先生

東海大学医学部卒業。産婦人科勤務を経て、東京・表参道に産婦人科と皮ふ科を併設したけい子レディースクリニック表参道を開院。

Check! 思い当たったら 卵巣のう腫の恐れあり!?
  • 下腹部がぽっこり出る
  • 不正出血がある